突然ですが、明日のデイトレ銘柄を物色するとき、貴方は何を参考にしていますか?
例えば、ヤフーファイナンスの「値上がり率ランキングをまずはチェックする。」という方も多いはずです。
この値上がり率、または出来高増加率ランキングをチェックした時、「●●関連銘柄」や「●●材料」といった株式テーマに分類された銘柄がランキングの上位を独占しているのを見かけたことはないでしょうか?
実は、「デイトレード」という手法と「テーマ株」は非常に相性が良く、デイトレ銘柄を選ぶ上でも重要な選別ポイントとなるのです。
このページでは、デイトレードにおける銘柄選びの重要セクター「テーマ株」について、その特徴から選別方法、テーマ株ならではのデイトレ投資戦略などご紹介します。
このページで分かるデイトレのこと
デイトレ銘柄を見つける上で注目したいテーマ株とは?
テーマ株とは、株式市場の中でも将来性が高く、期待や注目を集める成長産業(業種や材料)に関連する銘柄を「株式テーマ」としてグループ化したものです。
このテーマ株は「○○関連銘柄」や「○○関連株」と呼ばれ、その時々の“話題”や”現象”や”産業”、”製品”など、“市場関係者の注目を集めるトレンド”を称して表されます。
そのため、テーマ株の種類や数は多岐にわたり、テーマと分類される銘柄には市場や業種の枠組みは関係ありません。
ここ最近は「スガノミクス」というワードがトレンドとなり「地方銀行関連株」や「不妊治療関連株」などがテーマ性を強めた印象ですが、テーマ株は2013年に「アベノミクス」と呼ばれる一連の成長戦略が起爆剤となり、医療関連の産業が有望視された「バイオ関連」や、爆発的な人気を集めたスマホゲーム“パズドラ”を手掛けるガンホーがけん引した「ゲーム関連」などが大きな盛り上がりをみせました。
当時バイオ関連株やガンホー(3765)などゲーム関連株を上手くトレードされた方はテーマ株相場で手持ち資金を大きく増やされたのではないでしょうか。
他にも、2015年後半からは「ドローン関連」「VR/AR関連」「フィンテック・ブロックチェーン関連」「人工知能(AI)関連」など、今ではすっかりお馴染みのテーマ株が市場を賑わせてきました。
では、これらのテーマ株がなぜデイトレードとの相性がいいのか?
ざっくり言ってしまうと『デイトレに適した銘柄が次々と見つかるから』です。
人気化したテーマ株は、
「市場参加者の注目を一気に集め、膨大な資金が向かいやすい。」
「資金の流入によって一日の取引量・値動き・値幅も大きくなる。」
つまり、『デイトレ銘柄の選び方』でご紹介した3つの基準を満たす銘柄が、株式テーマごとに見つかるということです。
では、人気化したテーマ株には一体どれほどの資金が流入するのか?また、デイトレ銘柄の物色になぜテーマ株が好まれるのか?などについて具体的に見ていきましょう。
デイトレ銘柄の物色(銘柄選び)にテーマ株が好まれるワケ
2015年の後半から16年にかけて、株式市場の主役となったのが「マザーズ市場を中心としたテーマ株相場」です。
中でも、マザーズ指数と連動しやすい時価総額の大きい銘柄、バイオ関連銘柄のそーせいグループ(4565)は大相場を作り上げました。
当時、全体相場(日経225平均採用銘柄など)はピークを打ち、下落局面に突入。
行先きを無くした膨大な資金はマザーズ市場へと流入し、逆行高を演じます。
上記の画像は、2015年7月から16年の年末まで、同時期の日経平均株価とマザーズ指数のチャートです。
日経平均株価が下落局面を迎えた際、マザーズ市場に資金が流入し、逆行高を演じています。
この時に、マザーズ市場をはじめ株式市場をけん引したテーマ株が「バイオ関連銘柄」です。
中でも、バイオ関連株の主力として大相場を作り上げたのが「そーせいグループ(4565)」です。
そーせいグループの株価チャートを見ると、2015年10月の4,000円台から約半年で株価6倍の急騰劇を演じ、最大25,000円超える水準まで上昇しました。
そーせいグループの値動きを見れば、人気化したテーマ株が秘めるインパクトの大きさが伝わると思います。
他にも、マザーズ市場に上場するバイオ関連銘柄に目を向けると、
銘柄名(証券コード) | 業種 | 概要 |
---|---|---|
ナノキャリア(4571) | 医薬品 | 【創薬基盤技術】千葉県の柏氏に本社を置く創薬ベンチャー企業。ガン領域に特化し、超微細粒子「ミセル化ナノ粒子」の技術を応用した新薬の研究・開発を行う。 |
アンジェス(4563) | 医薬品 | 【自社開発】大阪府茨木市に本社を置く製薬会社。大阪大学の医学部教授が創業した医薬ベンチャーで、遺伝子医学品の技術を開発・販売。 |
ジーンテクノサイエンス(4584) | 医薬品 | 【自社開発】札幌市中央区に本社を置く、北海道大学発祥の創薬ベンチャー。製薬会社と共同でバイオ医薬品の新薬・後続品を研究・開発。ガン治療薬が主軸。 |
メドレックス(4586) | 医薬品 | 【自社開発】香川県東かがわ市に本社を置く創薬ベンチャー。イオン液体を利用した経皮吸収型製剤技術を独自開発。ゲル化軟膏、経口ゼリー製剤等を製造。 |
オンコリスバイオファーマ(4588) | 医薬品 | 【自社開発】港区虎ノ門に本社を置く創薬ベンチャー。ガンや重症感染症を対象とする治療薬・検査薬に特化。独自のウイルス技術によりHIV治療薬、ウイルス感染治療薬などを開発。 |
グリーンペプタイド(現:ブライトパス・バイオ)(4594) | 医薬品 | 【自社開発】福岡県久留米市に本社を置く創薬ベンチャー。2017年7月より「株式会社グリーンペプタイド」から社名を変更。がん免疫治療薬の研究・開発、製造・販売を行う。 |
株価の上げ幅はそれぞれ違うものの、「バイオ関連」というテーマ性から市場の注目を集め、短期的な資金が集中。
関連性をもつ複数の銘柄が連鎖的に急騰を見せたわけです。
後ほど詳しくご説明しますが、人気化したテーマ株は“先駆”“本命”“出遅れ”といったその関連性の深さなどによって連鎖的に買いが集まります。
株式テーマで分類された銘柄に買い材料・需要が次々と表面化するわけなので、デイトレーダーにとってテーマ株は“収益性の高い絶好の買い場”になると言えるのです。
また、値動きのある銘柄を乗り換えながら利益を上げるデイトレの手法から見ても、連鎖的に値動きが活発になるテーマ株は、その取引手法とも相性が良くなるわけです。
今回は、マザーズ市場に限定した「バイオ関連銘柄」をピックアップしましたが、冒頭でお伝えした「ドローン関連」や「VR/AR関連」、「フィンテック・ブロックチェーン関連」や「人工知能(AI)関連」など、これまで数多くのテーマ株が大きな話題となり市場の注目を集めてきました。
では、これらテーマ株相場の中で、収益性の高いデイトレ銘柄をどのようにして選ぶべきなのか?
テーマ株の4つの特徴を交えてご紹介してみたいと思います。
収益性の高いデイトレ銘柄を発掘するために抑えておくべきテーマ株相場の4つの特徴
デイトレーダーにとって絶好の買い場となるテーマ株・材料相場。
その中でも、収益性の高いデイトレ銘柄を見つけるには一体何に注視しておけばいいのか?
前提として、「資金流入の仕組み」や「値動きのクセ」といった、テーマ株の特徴を捉えておくことが重要です。
このテーマ株の特徴をまとめると、
- 全体相場の下落局面で資金が集まりやすい。
- 景気の刺激策(国策・政策)によって活性化する。
- 上昇トレンドが長いものと短いものに分かれる。
- テーマ性を秘める複数の銘柄が連鎖的に買われる。
大きく4つのポイントにすることができます。
1.テーマ株は全体相場の下落局面で資金が集まりやすい
「デイトレ銘柄の物色にテーマ株が好まれるワケ」にてご紹介した“日経平均株価の下落局面”と“マザーズ市場の逆行高”、この資金の移り変わりが良い例です。
全体相場(ここでは日経平均株価)の上昇局面がピークを迎え、下落局面へと移行したとき、投資家のマインドは一斉に利益確定へと働き「手持ち株の現金化」へと変化します。
このとき、上昇相場で膨らんだ資金の避難先(ディフェンシブ銘柄)として見られたのが、マザーズ市場のバイオ関連銘柄だったわけです。
特に、バイオ関連の主要株とみられていた“そーせいグループ”には、「新薬の承認」「外資との共同開発」といった好材料があったことに加え、この年にはノーベル賞の発表があり、3年ぶりに日本人が医学賞を受賞したことも資金の呼び水となりました。
このように、市場をけん引する主要指数が下落局面へと変化したとき、行き先を失ってしまった膨大な資金は、その時々の好材料を抱えるテーマ株へと向かいやすくなるのです。
こうした資金流入を加速させる大きな起爆剤として見られているのが、次にご紹介する「景気の刺激策(国策・政策)」です。
2.景気の刺激策(国策・政策)によって活性化する
当時、政府が推進した経済政策の代表格といえば「アベノミクス三本の矢」です。
これまでにご紹介した「バイオ関連株」急伸の背景には、アベノミクス第三の矢とされる成長戦略の柱に「健康・医療」が位置づけられたことが大きく影響しています。
このように、国が推進する政策によって追い風をうける業種や企業、関連する株のことを「国策銘柄」といいます。
よく知られる株の格言「国策には逆らうな」「国策に売りなし」という言葉が表すように、国が進める政策に関連した産業や企業は、市場規模の拡大と企業の成長が見込まれるため、投資資金を投下させる十分な好材料となるのです。
また、政策規模の大きい国策のほかにも、外国人観光客の増加による宿泊施設の不足解消を策した「民泊条例の成立」「旅館業法の緩和」は、不動産関連株を巻き込んだ『民泊関連銘柄』というテーマ株となり、仮想通貨を貨幣として認定する法改正は、『仮想通貨・フィンテック関連銘柄』という金融市場・通信事業を活況づける巨大テーマ株となり、株式市場をけん引しました。
このように、政府が発表する景気刺激策(国策や政策)がテーマ株・材料相場へ資金を流入させる起爆剤となり、その結果、株式市場全体が活性化していくのです。
2020年に入ってからだと、新型コロナウイルスに関連したテーマ株「テレワーク関連」「巣ごもり消費関連」「遠隔医療関連」などがテーマ性を強める流れとなり、安倍首相が辞任する意向を表明し、菅義偉官房長官がポスト安倍(次期首相候補)とされ、スガノミクス関連銘柄として「地方銀行関連株」や「不妊治療関連株」などが物色される展開となりましたが、“テーマ株の流れに沿った銘柄を上手くデイトレ出来た人と出来なかった人”とでは、手持ち資金の推移が大きく異なっているのではないでしょうか。
これまでにご紹介したテーマ株の2つの特徴(下落局面で資金が集まりやすい/景気の刺激策で活性化する)を踏まえると、収益性の高いテーマ株・デイトレ銘柄は、全体相場が落ち込みを見せている時ほど見つけやすい!という事になります。
新型コロナウイルスで相場が大きく崩れた際も、景気の刺激策に沿ったテーマ株には、しっかりと資金が向かう展開となりました。
3.テーマ株は上昇トレンドが長いものと短いものに分かれる
これまで、テーマ株に資金が流入する仕組みについてご紹介しましたが、次はテーマ株・材料相場の息の長さ(相場の長さ)について取り上げていきます。
「テーマ株相場が演じる上昇トレンドは一体いつまで続くのか?」中には、人気のテーマ株が秘める息の長さを知りたい!という方も多いのではないでしょうか?先に結論からいうと、テーマ株は息の長いものと短いものに分かれます。
まずは、短期的な人気を集めたテーマ株から見ていきましょう。
株式テーマ『民泊関連銘柄』の“本命”とされた「アパマンショップホールディングス(現:APAMAN)(8889)」の当時の株価チャートをご覧下さい。
政策内容 | 概要 |
---|---|
2015年10月 民泊条例が可決成立(大阪府) |
大阪府議会で全国初となる「民泊条例」が可決成立。NHK「クローズアップ現代」でも民泊が特集され注目を集める。 |
2016年4月 旅館業法の運用緩和を実施 |
訪日外国人急増によるホテル不足、全国で増加する空き家の有効活用の観点から、国は旅館業法の運用緩和を実施。これによって「民泊」が全国解禁となり、多数のメディアで報道される。 |
アパマンショップの株価に大きく影響を与えた政策は2つ。
「民泊条例の可決・成立」と「旅館業法の緩和」です。
この2つの材料が起爆剤となり、値を大きく急騰させることとなりましたが、上昇のピークは短く1ヵ月~2ヵ月ほどでした。
先にご紹介したバイオ関連の主要株「そーせいグループ」を見ても、息の短いテーマ株だったことが分かります。
(※ただしこれらのテーマ株は、今後の材料次第で再度加熱する可能性を十分秘めています。)
次に、長期のトレンドを形成している息の長いテーマ株を見てみましょう。
2017年に大本命と言われたテーマ株『EV(電気自動車)関連株』、その中でも、電気自動車の動力部を担うテーマ性『リチウムイオン電池』の主力株「田中化学研究所(4080)」の株価チャートをご覧下さい。
当時世界的な環境規制の高まりを背景に加速した「EVシフト」の流れを受け、電気自動車に関連する株が軒並み急騰する展開となりました。
中でも、EVの動力部となるバッテリー関連銘柄に買い物色が集中し、急騰劇を演じる展開となりました。
このように、同じテーマ株だとしても“市場規模の大きさ”や“成長性への期待値”などによって、トレンドを形成する息の長さに違いが生まれるのです。
また、次々と発表される景気刺激策によって資金を集中させたテーマ株の多くは、短期トレーダー中心の相場となる傾向が強いため、自ずとトレンド自体も短くなるのです。
4.テーマ株は同様のテーマ性を秘める複数の銘柄が連鎖的に買われる
「バイオ関連株」でも少し触れましたが、人気化したテーマ株は、その関連性の深さや思惑などで連鎖的に買われ値を上げていったりします。
そのため、銘柄を物色する一つの目安として「本命」や「出遅れ」など、テーマ性を秘めた個別株がもつ“時価総額の大きさ”や“値動きのタイミング”が重要視されるのです。
特に、人気化したテーマ性の「出遅れ株」は、これまで低い水準で推移していた株価を一気に急伸させ、数倍以上の大化けをするケースもあります。
フィンテック・仮想通貨(ビットコイン)関連の出遅れ株として当時注目を集めた「リミックスポイント(3825)」などが代表的な例です。
仮想通貨の盛り上がりにいち早く注目し、仮想通貨関連銘柄のリミックスポイントなどを上手くデイトレされた方は、テーマ株相場の流れに乗り資金を大きく増やされたのではないでしょうか。
人気テーマの出遅れ株は、デイトレに適した稼ぎやすい銘柄
人気化したテーマ株の多くは、「先駆」「本命」「出遅れ」と、そのテーマとの関連性の深さや時価総額の高さなどによって順番に値を上げていきます。
とくに「出遅れ株」と分類される銘柄は、個人でも手を出しやすい割安な状態で放置されていることが多く、複数の銘柄が物色され連鎖的に値を上げることから、デイトレに適した稼ぎやすい銘柄と言えるのです。
しかしその一方、テーマ性を秘めた割安株の出遅れを探し出すことは決して簡単ではなく、株価を急騰させる初動の見極め、また手仕舞いのタイミングも難しいので注意が必要です。
デイトレを始めたばかりの方などは、テーマ株・材料相場の情報を多く扱う株の情報サイトを見つけて、出遅れ株の物色や仕掛け・手仕舞いの見極めに役立てることをお勧めします。
数ある株情報サイトの中には、デイトレードに特化した投資顧問サイトもありますので、改めて別のページにてまとめさせていただきます。
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