デイトレードに限らず、株初心者の方が一番最初に考えなければならない重要なことは「大切な資金を減らさない為の方法」、つまり「資金管理のルール」です。
デイトレ初心者の方はもちろん、チャート分析の方法や取引テクニックは詳しいのに、なぜかトレード成績が伸び悩んでいるという方まで、リスクを軽減して利益を最大化させるきっかけは、資金管理という株取引の金銭感覚を見直すことにあるかも知れません。
このページでは、損切り(ロスカット)ラインの基本的な目安から、資金管理のルールを決める目安になるように3つの基準をご紹介します。
大切な運用資金を守るためにぜひ参考にして下さい。
このページで分かるデイトレのこと
損切り(ロスカット)の設定は、デイトレードの勝敗を左右する最も重要で難しいトレードテクニック
デイトレードの実践経験がまだ無い方でも「株で失敗しないためには損切り(ロスカット)の設定が重要」という言葉を、一度は耳にしたことがあったりするのではないでしょうか。
一見すると簡単に実践できる資金を守るリスク回避の方法と思われがちですが、投資歴を問わずデイトレーダーが損失を膨らませる失敗の原因となるのがこの損切りです。
株取引をこれから始める方であれば、売買のテクニックや銘柄の見極めなどが魅力的に見えてしまうかも知れませんが、デイトレードにおける損切りは、売買手法と同じく難易度が高く、勝ち負けを左右する重要なトレードテクニックのひとつです。
また、デイトレ初心者の方がはじめに身に付けるべき技術こそが、損切りを始めとするリスクの回避方法と言えるでしょう。
デイトレ初心者の方でも設定しやすい基本的な損切りのラインなどをご紹介しますので、トレードルールを決める際の参考にしてみて下さい。
損切り(ロスカット)の設定がデイトレードの勝敗を分ける理由
デイトレードは、1日の値動き幅が大きく流動性の高い銘柄を選んで売買します。
そのため、大きく値を上げる時には短時間でも株価を急騰させ、その分、大きな利益を得ることが出来ます。
反対に、値を大きく下げる際もあっという間に株価を急落させるため、損切りという損失を膨らませない予防策が重要になってきます。
株価の値動きの速さから、すぐに値を戻すと思い込み、損失の確定を先延ばしする心理状態に陥りますが、一度値を下げた銘柄はそう簡単に元の水準には戻ってくれません。
損切りの設定を怠ったり、損失の確定をためらってしまった結果、たった一度のトレードで大きな含み損を抱える失敗の原因となってしまうのです。
一方で、損失を最小限におさえる損切りラインの設定や、運用資金を守るための対策をトレードルールに設定されていればどうでしょう。
リスクを抑えて利益を最大化させる理想的なデイトレードに一歩近づくはずです。
デイトレ初心者でも目安にできる!3つの損切り目安ポイント
デイトレードで損失を大きくしてしまう失敗例として、損失の確定を先延ばしにしてしまう心理状態を挙げましたが、この心理状態は誰にでも起こりうることで、この状態自体を100%回避することは難しいことです。
しかし、このリスクを含む心理状態に歯止めをかける明確な方法はあります。
それは、投資スタイルに合った損切ラインを設定し、株取引のルールに組み込むことです。
投資対象に選んだ銘柄の値動きやトレードの手法によって損切りの目安や方法は違ってきますが、デイトレードの損切りラインは次の3つの基本的な目安から設定することができます。
「1.含み損の金額」「2.値動き幅のパーセンテージ」「3.トレンドのサポートライン」の3つです。
この損切りラインの基本設定は、取引を開始する前に予め決定し、逆指値注文などでリスクを回避します。
取引前に最大の損失ラインを決めることになるため、損失を最小限に抑えられる効果のほかに、最終的な利益確定へのゴールを想定する目安やトレード戦略のシュミレーションなど、相場感覚を養うことにも役立ちます。
目安1.含み損の金額を損切りの基準にする
予め含み損の具体的な金額を設定しておく方法です。
初めから損失額に応じた損切りのラインを決めてしまうため、複雑な基準は一切不要で心理的な負担も軽いため、デイトレードを始めたばかりの初心者の方には設定しやすいルールと言えるでしょう。
また、手持ちの資金からこの損切りラインの設定金額を差し引くことで、余力の資金を予め計算しておくことができるため、仮に損切りが実行されたとしても、次の銘柄選びへと切り替えをしやすい事も特徴です。
ただしこのルールは、損切りラインの設定がしやすい反面、相場の状況に合わせた対応ができないため注意が必要です。
一度、設定しておいた損切りラインを株価が下回ったとしても、その後、リバウンドで値を大きく戻す可能性もあるわけです。
目安2.値動き幅のパーセンテージを損切りの基準にする
株価の値下げ幅を損切りラインとしてパーセンテージで設定する方法です。
「株価が●●%下落したら売る」といった、株価の下落比率を損切りラインに設定します。
この損切りルールは、マイナス材料の発表など予想に反した動きをした際には有効ですが、1日の取引時間で5%~10%と動く値幅の大きい銘柄には不向きなルールです。
あっという間に損切りラインに達してしまい、売り注文が実行されてしまうことになります。
この損切りルールを設定する場合は、銘柄の特徴や値動きのクセをあらかじめ調べておく必要があります。
また、含み損の金額を損切りラインに設定するパターンと同じく、相場の状況に合わせた対応はできないため注意が必要です。
目安3.サポートライン(支持線)を損切りの基準にする
ロウソク足の下側(安値)が2点以上接するように引いた線(サポートライン・支持線)を損切りの基準に設定する方法です。
上昇・下落・横ばいといった、株価チャートの方向感を分かりやすくする補助線を引いたものをトレンドと言いますが、このトレンドを安値で支えている支持線を損切りの基準にすることで、その時々の相場状況に対応することができます。
一般的に、トレンドが転換するポイント(節目)を前回の安値と見る投資家が多いため、株価がこのサポートラインを割ってしまった場合、売りが加速して株価をさらに下げてしまうケースがあるのです。
そのため、トレンドを下支えしているサポートラインを割るタイミングを損切りの基準に設定するのです。
このサポートラインを損切りの基準にする方法は、相場の状況や銘柄の特徴などによって様々な設定ができるため、扱いには慣れが必要かもしれません。
しかし、先にあげた2つのルールと比べて、リスク回避に実用的で儲けのチャンスを見逃さない事から、多くのデイトレーダーがサポートラインを損切りの基準にしています。
この3つの損切り基準はあくまで目安となる基本的なルールです。
他にも、含み損を広げないための優れた手法が多数存在していますので、あなたの投資資金やトレード環境に応じて一番の方法を見つけるようにして下さい。
デイトレードの利益を最大化させる3つの資金管理の方法と基本的な考え方
これまで、損切りというワントレードの損失を広げないための方法をご紹介しましたが、運用資金を守るためのリスク回避の方法は他にもあります。
デイトレードに限らず、株初心者の方がまず始めに考えなければならない重要なことは「資金を減らさず退場しないための方法」、つまり『資金管理のルール』です。
資金管理とは、「運用資金の何割を1回のトレードに割くか?」「損失の許容範囲を総資金の何割に設定するか?」といった、株取引における金銭感覚のことを指します。
損切りラインを決めることもこの資金管理の1つです。
もし、資金の管理方法や運用基準、リスクの許容範囲などお金に関するルールが定まらない状態でトレードに臨んでしまうと、予期せぬ事態に陥った場合、正常な精神状態を保つことができず、普段なら絶対にしないような行動を取ってしまったりします。
損失の確定をためらうなどはこの典型的なパターンです。
自分の精神状態を自在にコントロールすることは簡単ではありませんが、想定外の難しい相場状況に直面したとき、冷静な判断ができる正常な状態に戻す安定剤となるのが「資金管理のルール」です。
ここでは、資金管理のルールを決める目安になるように3つの基準をご紹介します。
デイトレ初心者の方はもちろん、取引手法や銘柄選びは得意なのに、なぜか勝てない…という方も、是非参考にしてみて下さい。
目安1.ワントレードで発生する損失額を想定する
運用資金を守るためにまず始めに決めなければならないことは、一回の取引で発生する最大の損失額をあらかじめ計算しておくことです。
これまでにご紹介してきた損切りラインの設定もこれに含まれます。
運用資金の全体から損失の許容範囲を計算する場合、一般的な目安は「資金全体に対して5%まで」とされています。
仮に、資金100万円からデイトレードを始めた場合、ワントレードの最大損失の想定額は「100万円 × 5% = 5万円」までとなります。この損失ラインに達した場合は、ルールに則って損切りを実行します。
重要なことは、損失の想定額がいくらに設定されているか?という事ではなく、「取引をスタートする前から損失の許容範囲が想定できている」ということです。
この損失の許容範囲を超えないトレードであれば、一時的な含み損が発生したとしても、冷静に局面を見守った上で最良な判断ができることでしょう。
目安2.コントロールできる許容量・資金の範囲で株を買う(ポジションサイジング)
一回の取引で許容できる損失の範囲が決まったら、次は、購入する株の量(ポジション)をどれくらいに設定するかルールを決めます。
トレード用語で「ポジションサイジング」と言います。
簡単にいうと、全体の資金を考慮して「いくらの株をどれくらいの量で買うか?」ということです。
取引に慣れてくると、株価の動きに合わせて「株を買い増す」「一部を売却して減らす」といった、相場状況に応じて保有株の量(ポジション)をコントロールしていきます。
こうした取引もポジションサイジングの技術です。
実は、このポジションサイジングには明確な基準や目安というモノがありません。
冒頭で、資金管理のことを「株取引における金銭感覚」とお伝えしましたが、この感覚は実際に株を買ってみて、実践の場で養っていくしかありません。
初心者の方であれば、まずは小さい金額から取引を始めて、購入できる株の許容量・資金配分を少しずつ決めていくようにしましょう。
一番大切なことは『運用資金に見合わない量の株を買ってはいけない』という事です。
デイトレードに限らず、株初心者の方が失敗する一つの要因は「運用資金に対して株を大きく持ちすぎること」と言われています。
株取引を始めた頃は、少し控えめな少額で買える銘柄を1単元ずつコツコツと運用していたはずが、慣れ始めた頃には「もっと勝ちたい」「大きく稼ぎたい」という衝動から、ついつい強気なポジションを持ちたくなってしまいます。
反対に、負けが続いた時などはこの心理状態がもっと顕著に表れます。
「負けを取り戻したい」と強い衝動から、資金の余力に見合わないリスクの高いポジションの持ち方をしてしまうのです。
トレードの経験と実績を重ねていけば、次第に資金量に応じた株の許容量や資金配分は少しずつ広がっていくもので、このポジションサイジングの感覚も徐々に身についていきます。
資金を守りつつ利益を最大化する重要なお金の管理方法となるため、じっくりと全体の資金に合ったルールを決めるようにしましょう。
目安3.銘柄の値動きクセや値幅(ボラティリティ)の特徴を把握する
これまでにご紹介した「損切りライン」「損失の許容範囲」「ポジションサイジング」といった、運用資金を減らさないための管理方法を実用的なルールにするためには、『銘柄の値動き・値幅の特徴やクセを把握しておくこと』も重要な基準となります。
例えば、東証プライムに採用されている大型の主力株と、スタンダード・グロースの株では、1日の値動きや値幅(ボラティリティ)が大きく異なり、一般的には、東証プライムの主力株はボラティリティが小さく、グロースに上場している銘柄の方が大きくなりやすい傾向や特徴があります。
仮に、普段から東証プライムの主力株をトレードする人が、しっかりと下調べをせず同じ感覚でグロースに上場している銘柄に手を出すとどうなるでしょう。
値動きの速さや値幅の大きさについて行けず、満足できるトレードはできなくなるはずです。
また、デイトレ銘柄として物色されやすい「テーマ株」などは、値動きのスピードが非常に早く、1日で10%以上の値動きを見せることもざらなので、迂闊に手を出すことさえできないでしょう。
そこで有効になるのが、目をつけた銘柄の値動きや値幅の特徴を把握しておいて、トレード戦略を予めシュミレーションしておく事です。
「直近の高値と安値はいくらだったか?」「時間帯によって値動きにクセがないか?」「値幅は大体どの位で推移してきたか?」など、過去のチャートから遡ってじっくりと観察し、その銘柄特有の特徴を下調べしておくわけです。
実際にトレードを開始する前に、下調べで把握した時よりも値動きが激しく荒れている相場だったなら、ポジションを小さく調整したり、リスク回避を優先してトレードを控えるという判断もできます。
また反対に、シュミレーション通りの値動きを演じる局面だったなら、「損切りライン」「保有する株の量」、そして最終的なゴールとなる「利食いポイント」といった、具体的なトレード戦略を立てることができます。
デイトレードの損切りと資金管理の方法についてまとめ
デイトレードにおける損切り(ロスカット)を始めとするリスク回避の技術「資金管理のルール」は、大切な運用資金を守るための重要なノウハウになります。
また、資金の守り方を知るという事は逆に、資金の増やし方を知っているという事にもリンクします。
このページでは3つの基本的な損切りラインと、資金管理のルールを決める3つの目安をご紹介しましたが、他にもリスク回避の優れた手法はたくさんあります。
投資スタイルや運用資金に合った最適なリスク回避の方法を是非見つけて下さい。
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